3、暗闇の中を歩く

魂を綺麗にすると決めたんだけど、最後までやり抜くと決めたんだけど、一生報われない人生に

なってしまったとしてもかまわないと覚悟を決めたんだけど、「どうすればいいんだろう」

というのが正直な所であった。そう決めた後も交通事故にあったり、とにかく不運が続いた。

交通事故の後遺症で20年も苦しんだし、とにかく20歳を過ぎてからも不運ばかりが続いた。

時には精神面がおかしくなってきた時もあった。いったい俺は何なんだと思った。

泣き言は死んでから言えばいいと自分に言い聞かせ俺は絶対にネガティブな感情は持たなかった。

例えば『怖くないよ』と口では言えるけど問題は『自分だけが知る自分の心の状態』なのです。

どんなに強がりを言ったところで魂に刻み付けられるのは自分だけが知る自分の心の状態の方な

のです。そして魂に刻み付けられたモノがいずれ自分が体験する現実となるわけです。

 

とにかく俺は家庭環境は滅茶苦茶だし、体は悪くなるし、精神的にもおかしくなってくる。

精神的におかしくなったというのは、うつ病みたいになったりしたという事です。

俺の一つの信念として「知っていても実践しなきゃ意味がない」というのがある。

とにかく実践あるのみである。しかしながらまるで暗闇の中を歩いているようだった。

でも俺は途中で止められないんだよ。神の領域に入りたいという望みがあります。

こんな最高の望みが持てたのに途中で止められるわけないだろう。例えばこんな比喩があります。

ある所に腹を空かせた鬼が真理を説いていた。そこを通りかかった聖人が鬼にこうお願いした。

「もう一度その言葉を聞かせてください。そしたらその後で私を食べてもかまいません」

と言った。真理とは命よりも尊いという比喩です。

 

俺は西遊記が好きなんですよ。悪の心しかなかった孫悟空が嫌々ながらも仏の言い付けを守り

三蔵法師を天竺に送り、そして連れ帰った。役目を果たした孫悟空の心は全てが善の心に変わ

っていた。このような物語や比喩などを使って人々に真理を伝えようとしているわけです。

この世で最も単純で最も難しいもの、それが真理である。あまりに単純すぎて超難解なんだよ。

真理というものは理解すべきものではなく受け入れるものなんだよ。

理解しようとしても絶対に理解などできない。在りのままに受け入れる勇気と覚悟と努力が

必要なのです。俺が尋ねるのは自分自身の魂にだけであり、俺が信じているのは自分自身の魂

だけである。格好良い事を言えば『魂の命ずるままに進む』って感じかな。

 

欲しいものがあればそれに見合った何かを捧げなければならない。

例えばお店で商品を手に入れるためにはそれに見合った代金を支払わなければならない。

神の領域に入りたいと思うのならそれに見合った何かを代償として支払わなければならない。

そこまでの望みを持ったなら命だって捧げる覚悟を決めなければならない。

俺はどうしようもなくこういう事が好きなんだよ。

格好良い事を言えば、「俺が道を切り開くから貴方達はその道を通って来なさいよ」

という事です。但しその道を歩むのは貴方自身であり、勇気と覚悟と努力が必要だからね。

 

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